松田綜合法律事務所を選んだ理由
私は学部時代、農学部の緑地環境学専修に所属していました。緑地環境学とは、人と自然=みどりのあり方を、生態学と計画学の両視点から模索する学問です。私は同専修で、都市公園におけるつる植物の分布特性について研究していました。
そんな私が進路を変更したのは、平凡な自分がこのまま研究を続けることへの不安があったためです。また一方で、親の職業の影響もあり、自営業への漠然とした憧れがありました。既に大学院への進学も決まっていたため非常に悩みましたが、最終的には進学を辞退して地元のロースクールに入学し、弁護士を目指すに至りました。
私が事務所を探す際、最も重視したのは、自分のバックグラウンドを生かせるような仕事ができること(自分がそのような仕事をすることを否定されないこと)でした。一方で、専門性は総合的な基礎の下に成り立つとも考えていたため、幅広い案件に携わることができる総合事務所にターゲットを絞り、就職活動を始めました。
しかし、そんな私がすぐに直面したのは、面接先の事務所とのミスマッチでした。「うちではやっていないんだよね、だから君の期待には答えられない」、そんな返事ばかりだったのです。何度もお断りされ、心が折れそうになったのを覚えています。
そのような中で、最後にエントリーしたのが松田綜合法律事務所です。これでダメだったら自分の気持ちを封印しよう、そう思いながら臨んだ一次面接で採用担当の先生から言われたのは、「うちではまだやっていないけど、それを仕事にするための道を一緒に探していきたい」という言葉でした。私が入所を決めるには、十分すぎる一言でした。
事務所の業務の特徴
当事務所が扱うメイン業務は、いわゆる企業法務、つまり企業がクライアントとなる業務になります。もっとも、クライアントはスタートアップから中小企業、上場企業に至るまで様々であり、また業種や案件も多種多様です。個人のお客様を相手にする民事事件や刑事事件にも広く対応しており、「綜合」事務所の名に恥じない幅広い業務を取り扱っていると思います。
また、当事務所の特長として、新規分野の開拓に積極的なところが挙げられます。「こういうことにチャレンジしたい」と手を挙げれば、若手の意見でも聞いてくれますし、事務所としてもバックアップしてくれます。例えば、当事務所のヘルステック法務やEスポーツ法務は若手主体で立ちあげた分野です。新しいことに積極的に取り組みたい方にはマッチするではないでしょうか。
加えて、多様な経歴を持つ弁護士が多数在籍しているのも特色の一つです。大手法律事務所や外資系法律事務所、インハウス、裁判官、検察官等の経歴を持つ弁護士のほか、出身学部を見ても、(法学部はもちろん)文学部や国際教養学部、政治経済学部、理学部、工学部、農学部など様々です。このようなバックグラウンドの多様性は、クライアントの幅広さにもつながりますし、当事務所の大きな強みの一つだと思います。
これまでの担当業務の内容
当初の希望どおり、顧問先の法律相談や契約書レビュー、作成といった日々の顧問業務から、訴訟、不正調査、デューデリジェンス、相続案件や被疑者国選等、様々な業務に携わることができています。中でも特に多いのは、農林水産業法務という、他の事務所ではあまり取扱いのない業務です。農学部出身という経歴や、同学部で学んだことは、同業務を行ううえで思った以上に役に立っています。最近では、自身のバックグラウンドに直接関係のある、都市緑地に関する案件や里山の再生に関するご相談もいただくようになりました。
また私は、2024年の4月から、農林水産省のデジタル戦略グループに週1回勤務しています。同グループは農林水産業のDX化を支援する部署で、システム開発契約書や調達仕様書のレビュー、ITや個人情報に関する法律相談対応が私の主な業務です。事務所の外で働くことで、組織がどのように動いているのか体験できますし、また業務の幅を広げる貴重な機会だと感じています。
その他、執筆やセミナー等の機会もいただいており、自分にとって大きな経験となっています。
働きやすさについて
執務室は大部屋で、他の弁護士や事務局とコミュニケーションを取りやすい環境になっています。私自身、困ったときはすぐに相談に行きますし、パートナーや先輩も年次に関係なくフラットに接してくれます。月並みな表現ですが、「風通しのいい」事務所だと思います。
また、勤務時間や勤務場所に制限はありませんので、自分にあった働き方が可能です。もちろん繁忙期もありますが、あまりに忙しいときは、パートナーに相談することで仕事量を調整してもらえます。
自身の目指す将来像について
私の理想は、特定分野のスペシャリストでありながら、その他の分野にも広く対応できるゼネラリストでもあることです。険しく遠い道のりですが、日々の業務に丁寧に取り組み、また自身のバックグラウンドを強みとして、綜合力と専門性を磨いていきたいと思います。
弁護士の本分は、自分の力だけでは前に進めない人を支援し、その人が正しく道を歩けるようサポートすることだと思っています。私もまた、窮する依頼者に手を差し伸べ、その成長を支え、後に大輪の花を咲かせる一助となるような、そんな弁護士を目指したいです。