中村真理子 弁護士(76期)

入所を決めた動機

私は、自分が高校生の時に、祖父の営んでいた会社が事業の継続を断念したことをきっかけとして、企業法務を取り扱う弁護士を目指すようになりました。
もっとも、企業法務といっても学生にとってイメージ上のものでしかなく、少し調べてみてもその業務内容は多種多様であったため、就職活動に至っても自分のなりたい弁護士像は漠然としたままでした。
ただ、大学や法科大学院で法律を学ぶ中で、様々な法分野に興味を持つようになったこともあり、ある分野に特化したいわゆるブティック型の事務所よりは、一般民事や刑事事件も含め、弁護士として幅広い経験を積める事務所に進みたいと考えるようになりました。
そんなときに出会ったのが、松田綜合法律事務所でした。
当事務所は、企業法務をメインで扱っているものの、交通事故や離婚相談等の一般民事、刑事事件のご相談も少なくなく、さらに農業分野やインド法務など、当事務所ならではの業務もあります。当事務所であれば、様々な業務を経験する中で、理想とする弁護士像を見つけられると確信しました。
「まずはいろいろ経験させてもらえる」、これが、当事務所を選んだ一番の理由です。

 

取扱業務

入所して1年ほどしか経っていませんが、当初の希望のとおり、事務所では幅広い業務に携わる機会をいただいています。
例えば、顧問先からの法律相談や契約書レビューといった典型的な企業法務のほか、M&Aや不正調査といった専門性の高い案件、また、企業法務に限らず、交通事故の相談や相続関係の調停・訴訟など、民事や家事の案件も担当させてもらっています。各案件を通して、法律実務の広さと深さを毎日実感しています。その分、業務ごとに新しい課題に直面する大変さはありますが、それを乗り越えることで着実に自身の成長を感じることができます。ようやく「漠然」の先が少し見えてきた気がします。
また、当事務所では、弁護士会の活動も積極的に参加することも推奨されています。弁護士会の活動は、他の事務所の先生方との交流を通じて新たな視点や知見を得られる貴重な機会です。
事務所の中でも外でも、挑戦と成長を実感できる弁護士業務というものに、緊張感とともに大きなやりがいを感じています。

 

指導、教育体制

当事務所の指導・教育体制は、OJTが基本となっています。若手弁護士が主導で案件を進めるスタイルが確立されており、依頼者とのコミュニケーションや書面作成、裁判対応など、実務を通じて経験を積むことができます。
自らの裁量と判断で案件を進めながら、要所要所で先輩弁護士やパートナー弁護士に相談できるシステムは、自分にはとても合っているように思っています。
難しい法的論点の解釈や戦略的な判断が求められる場面では、先輩弁護士とディスカッションしながら、解決の方法を模索します。その場で出た意見は、経験に関係なく対等に扱われ、解決方法として最も相応しいものであれば、若手弁護士の提案が採用されることもあります。若手弁護士でも積極的に発言できる雰囲気は、当事務所のOJTならではです。

また、当事務所では、若手弁護士の教育の一環として、定期的に判例研究や、実際に当事務所の弁護士が取り扱った事例を題材とした勉強会が開催されています。
個別の案件対応に追われがちな日々の中でも、こうした学びの場があることで、最新の法的知識をキャッチアップしながら成長することができます。

 

職場の雰囲気

私は、当事務所は、法律事務所の中でもかなり「開かれた事務所」だと思っています。
例えば、当事務所では、期や年齢、士業か否かに関係なく、お互いを「○○さん」と呼び合います。一般的な法律事務所ですと、弁護士に対しては「○○先生」と呼ぶことが多いのではないでしょうか。初めは少し戸惑いましたが、「○○さん」と呼び合うことで、自然と話しかけやすくなり、風通しの良い事務所になっているように思います。
また、事務所の執務スペースが個室ではなく大部屋であることも、「開かれた事務所」に一役買っています。同じスペースで仕事をしているため、案件に関するちょっとした疑問でもすぐに質問できますし、他の弁護士が話している内容から学ぶことも多くあります。
個人的な思い出としては、私は入所以来、電話対応が不得手だったのですが、私の窮状を見かねた周りの先輩弁護士にずいぶん助けてもらいました。その甲斐もあって、最近では少しましになりましたが、これも「開かれた事務所」のおかげだと思っています。

 

ワークライフバランス

当事務所では、弁護士自身が時間を管理できる働き方ができます。出勤時間や退勤時間は決められておらず、若手弁護士であっても、自分の業務量やスケジュールに応じて執務時間を柔軟に調整しています。
また、リモートワークを活用できる環境も整っています。外出先での業務も在宅での執務も、オンラインで可能です。
時間の面でも場所の面でも、かなり自由度の高い働き方が実現できる事務所です。
さらに、パートナー弁護士が業務量を適切に調整してくれるため、極端に忙しすぎる日が続くこともありません。もちろん、繁忙期には仕事量が増えることもありますが、いわゆる「毎日終電」や「休日が全く取れない」といった状況にはならないよう配慮されています。そのため、特定の個人に過度な負担がかかることはなく、長期的に無理なく働き続けることができます。
また、当事務所では育休・産休の制度が整っており、実際に子育てをしながら働いている弁護士もいます。育児中の弁護士がリモートワークを活用したり、時間を調整しながら働いている姿を見ると、ワークライフバランスが大切されている事務所であると感じます。

 

今後の方向性

私は、当事務所に入所するときに希望したように、弁護士業務全般に幅広く対応できる知識と経験を積みながら、将来的には自分の強みといえる企業法務の専門性を身に付けたいと考えています。
幸いにも当事務所には、元検察官や元裁判官としてのキャリアを持つ弁護士、インハウスロイヤーや官公庁への出向経験、海外勤務経験を有する弁護士など、多様なバックグラウンドを持つ方々が在籍しています。
そうした方々が、それぞれの経験を活かして活躍する姿を見るたびに、自分のキャリアや専門性について深く考えさせられ、良い刺激を受けています。
まだ当分先になりそうですが、当事務所で研鑽を積んで、いつかは自分も他者にとって刺激となるような専門性を持った企業法務弁護士になることが今の自分の目標です。