ビジネスと人権に関する法務

日本国内だけでなく国際的にも関心が高る「ビジネスと人権」への対応について実効的な施策に向けたお手伝いをしております。

ビジネスと人権に関する法務

昨今、関心が高まり続けている「ビジネスと人権」への対応について、実効的な施策に向けたお手伝いをしております。 

「ビジネスと人権」は、2011年に国連で「ビジネスと人権に関する指導原則」が決議されて以降、欧米で急速に発展した分野ですが、これまで日本の企業法務の領域では、正面から本気で取り組む企業は目立っていませんでした。しかし、昨今の旧ジャニーズ問題により、関係企業は、その企業姿勢を消費者から大きく問われ、また至急の対応を迫られることになったことは記憶に新しいところです。 

また、投資家サイドからも、財務分析に加えて、「環境(E)」「社会(S)」「ガバナンス(G)」の観点も組み込むESG投資が求められていますが、「社会(S)」は人権課題が主要課題となっています。 

大企業に限らず、企業として、取引先の人権侵害が発覚しこれを放置すれば、消費者からの信用低下だけでなく、取引停止、投資引き上げ、従業員のストライキ、消費者による不買運動等の事業に直結する様々な悪影響が発生するリスクが現実的になっています。今や、日本企業では、「ビジネスと人権」への具体的な対応が喫緊の課題となっています。 

当事務所では、人権侵害の事案が明るみに出た場合の危機対応の経験もあり、その後の再発防止に係る人権ポリシーの策定、人権デュー・ディリジェンスの取組支援、サプライチェーンにおける人権対応等に対応しています。 

 

日本企業が直面するリスク 

 日本企業が人権リスクに適切に対応しない場合には、以下の経営リスクを抱え込むことになり、リスクが顕在化する可能性があります。  

レピュテーションリスク  企業に倫理的・社会的責任があるとして、SNSやメディア等を通じて社会的な批判を受け、企業のブランドイメージを毀損されるリスク 
事業リスク  取引先企業からの取引停止、消費者による不買運動のほか、人権問題への労働者ストライキや大量の人材流出などが起きることで事業が立ち行かなくなるリスク 
財務リスク  自社や取引先の重大な人権侵害に対する適切な対応を怠ったことにより、機関投資家や金融機関等の灯しかによる投資引き上げを受けるリスク 
法務リスク  訴訟や制裁等により企業が法的な責任を問われるリスク(海外でのハードロー化により企業が法的責任を負うリスクも増大している) 

 

 <当事務所NLシリーズ:迫られる日本企業の「ビジネスと人権」対応> 

 

求められる人権対応 

1.人権方針によるコミットメント 

人権方針の策定は、すでに多くの企業において実施されているものですが、他社の人権方針を参照して形ばかりの方針を策定するのでは意味がありません。国内外の公的機関や業界団体の人権ルールを理解した上、サプライチェーンを含む事業の人権課題を調査・把握し、全社的なポリシーとして実質的に機能させ、社内外の批判に耐えうる方針を策定する必要があり、そのお手伝いをさせて頂きます。 

 

2.人権デュー・デリジェンス(人権DD)の実施 

人権DDは、企業のステークホルダーの人権侵害を予防し、又は特定の上、軽減又は対応に関する説明責任を果たすためのプロセスですが、サプライチェーンを含めたすべての人権リスクを網羅的に調査することが困難であるため、「リスクベースアプローチ」による実施が適切となります。実施に当たり、効果的な調査手法や分析方法のアドバイス、実効的な是正措置の策定のお手伝いをさせて頂いております。 

(1)人権への影響評価 

人権リスクを特定し、インパクトや重要度を分析・評価するため、以下のステップを踏むことが有益です。 

マッピング  ステークホルダーを特定し、その人権リスクを洗い出した上で、人権リスクの全体像を把握する。 
スコーピング  マッピングされた人権リスクを「深刻度」「発生可能性」で優先順位を付けて、調査範囲を確定する。専門的な作業となることから専門家の関与が望ましい。 
調査・分析・評価     調査としては、①資料精査、②デスクトップリサーチ、③従業員・取引先へのアンケート実施、④現地調査、⑤ステークホルダーへのインタビュー等が考えられる。専門家を活用することと、ステークホルダーとの意味ある協議(指導原則18)が求められる。 

 

(2)予防・軽減・是正措置 

顕在化した人権リスクには是正措置を、潜在的な人権リスクに対しては、社内研修、社内規程の整備、取引先との契約の改訂が考えられます。 

(3)モニタリング 

上記措置が実効的に機能しているか継続的にモニタリングし、社内外のフィードバックを受けて、継続的な改善を行うことが重要です。 

(4)情報開示 

人権DDにて特定した人権リスク、是正措置や改善・予防に向けた取り組みをホームページ等を通じて適切な情報開示をする必要があります。 

 

3.人権侵害の救済を可能とするプロセスの整備 

 人権リスクにおいても、早期把握と早期救済が極めて重要であるところ、苦情処理メカニズムを導入することが重要になります。すでに、内部通報制度を導入している企業は多いと思いますが、人権侵害を対象としておらず、また救済措置まで想定しているところは少ないのではないでしょうか。指導原則31が苦情処理メカニズムの実効性を担保するために満たすべき高い基準を定めており、その整備のお手伝いをさせて頂きます。 

 

担当弁護士 

経験豊富な弊所「リスクマネジメントチーム」のパートナー弁護士等で対応をさせて頂きます。直近では、パートナー弁護士の片岡敏晃と岩月泰頼は、TBSホールディングスにおける旧ジャニーズ問題の特別調査委員会の外部委員を務めております。

  • 片岡敏晃(パートナー弁護士・元福岡地方検察庁検事正)
  • 岩月泰頼(パートナー弁護士・元東京地方検察庁検事) 

 

関連するリーガルノート

 


 

法律相談・お問合せ

松田綜合法律事務所
ビジネスと人権に関する法務
E-mail:info@jmatsuda-law.com

    会社名

    お名前 (必須)

    フリガナ

    電話番号 (必須)

    メールアドレス (必須)

    ホームページ

    お問い合わせ内容