当事務所の取り組み
自動運転の登場により、自動車業界が100年に1度の大転換期を迎える中、日本では、いち早く自動運転の社会実装に向けて道路交通法や道路運送車両法等の関係法令が改正され、現在、レベル4(L4)の自動運転の実装が公道で始まっています。
当事務所は、自動運転やMaaSという大変革に対応するため、2019年から自動運連関連法務チームを立ち上げ、自動運転/MaaS分野に対する知見を高め、リーガルサポート体制を築いてきました。
- 主な取り組み-
- 2019年
- 岩月泰頼弁護士が名古屋大学未来社会創造機構客員准教授に就任(自動運転に係る法制度ユニットに所属)し、当事務所で「自動運転/MaaS関連法務」をスタート
- 2021年
- 森田岳人弁護士が名古屋大学未来社会創造機構の客員准教授に就任(自動運転に係る法制度ユニットに所属)
- 岩月泰頼弁護士が国土交通省第7期ASV推進検討会 システム主導WG委員就任
- 森田岳人弁護士が国土交通省第7期ASV推進検討会 協調型技術検討WG委員就任
- 森田岳人弁護士がJEITA自動走行システム研究会主催「自動運転関連のデータ利用と個人情報、プライバシー」講演
- 2022年
- 岩月泰頼弁護士が国土交通省中部運輸局主催「自動運転時の事故に対する法的責任」講演
- 岩月泰頼弁護士が月刊 法律のひろば2022年7月号「自動運転システムと道路交通法の遵守」寄稿
- 2023年
- 岩月泰頼弁護士が名古屋地方検察庁主催「自動運転に関する法制度の現状と課題」講演
- 産業技術総合研究所から2023年度「自動運転サービスの法規に係る課題及び判例調査に関する分析業務」を受託
- 2024年
- 産業技術総合研究所から2024年度「自動運転サービスの法規に係る課題及び判例調査に関する分析業務」を受託
サービス内容
L4自動運転車の事故対応サポート
L4自動運転システムによる人に対する事故では、これまでの人間ドライバーの法的責任を問うのとは異なり、刑事責任としてはメーカー・運営側(インフラ含む)の関係者の「業務上過失致死傷罪」が問題とされ、民事責任としてはメーカー側の「PL責任」が問題とされます。特に、刑事責任は、検察・裁判実務では「特殊業務過失分野」とも言われる、設計・製造や運営の責任者の過失責任を問う専門性の高い分野となります。
また、L4自動運転システムによる事故では、行政側の調査への対応も必須であるほか、社会的な関心事も極めて高く、消費者の不安や企業レピュテーションにも配慮したマスコミ対応や対外的なリリース対応も必須のものになります。
当事務所では、自動運転の法規制に精通するとともに、企業の危機対応の経験も豊富な元検事による弁護士らによる、L4自動運転システムによる事故への危機対応のほか、これら事故を想定した事前準備の法的アドバイスなどを行います。
- 関連講演-
- 2024年
- 「AI時代の自動運転事故の法的責任」(主催 RXJAPANオートモーティブワールド名古屋/担当岩月)
- 2023年
- 「自動運転に関する法制度の現状と課題」(主催 名古屋地方検察庁/担当岩月)
- 2022年
- 「自動運転時の事故に対する法的責任」(主催 国土交通省中部運輸局 自動車事故防止セミナー2021/担当岩月)
- 2022年
- 「車載データ(ドラレコ、EDR、DSSAD、OBD)の法的位置付けと役割」(主催 名古屋大学未来社会創造機構モビリティ研究所ほか「自動運転車の事故の法的責任に関するシンポジウム~交通事故の法的責任の調査・捜査はどうかわるか~」/担当岩月)
- 2021年
- 「自動運転の開発者や事業者は刑事責任を負うか」(主催 松田綜合法律事務所 自動運転連続セミナー第1回/担当岩月)
- 弊所でできること -
☑ 欠陥事故など特殊業務上過失分野の対応にも知見のある元検事らによる対応
☑ 自動運転の法制度という専門性高い分野に精通した弁護士も含むチームによる対応
☑ 警察対応だけでなく、マスコミ対応のほか消費者やレピュテーションにも配慮したトータルでの解決に向けたリーガルアドバイスが可能
☑ 事故を前提とした再発防止に向けたL4システムの基準作りへのアドバイスも可能
☑ 問題が深刻な場合は、迅速な社内調査対応も可能
L4自動運転システムの安全要件構築サポート
「自動運転車の安全技術ガイドライン」によれば、L4自動運転システムが満たすべき安全は、「ODDにおいて、自動運転システムが引き起こす人身事故であって合理的に予見される防止可能な事故が生じないこと」と定義されています。具体的には、安全要件としては、現行の(人間ドライバーも遵守している)道路交通法を遵守しなければならないほか、過去の裁判例で集積されてきた人間ドライバーに課されている注意義務も遵守しなければならないと考えられます。
このように、L4自動運転システムといっても、現行の道路交通法のルールや裁判例での注意義務の遵守が求められる以上、L4自動運転システムの安全要件は、これらの法的な基準を前提として構築されなければなりません。
さらに、特定自動運行の運営事業者も、事故の形態によっては、過去の裁判例を踏まえた注意義務が課され法的責任を負う可能性があり、それを踏まえた業務フローが必要になります。
当事務所では、L4自動運転システムの安全要件に資する法令・判例検討に精通した元検事・元裁判官による安全要件構築や業務フロー構築の法的なサポートを提供しています。
- このような企業・自治体 -
☑ L4自動運転システムで構築する安全要件の水準の設定で困っている
☑ 事故を想定した特殊業過分野の責任における注意義務の考え方が分からない
☑ L4システムに組み込むべき道路交通法のルールがわからない
☑ 特定自動運行における関係者の法的責任に配慮した業務フローを作りたい
個人情報・プライバシー管理の法的サポート
L4自動運転システム、特に協調型自動運転システムでは、サービスとして個人情報やプライバシー情報を活用することもあれば、意図せずしてセンサーやカメラなどで取得する個人情報やプライバシー情報があり、個人情報保護法等に則った情報管理が厳格に求められます。
また、サイバーセキュリティの上でも、サイバー攻撃によるシステムへの侵入や情報漏洩のリスクのほか、実際にインシデントが起きた場合には、適切な危機対応が求められます。
- 関連講演-
- 2024年
- 「サイバー攻撃による情報漏洩とシステムベンダの責任」(主催 松田綜合法律事務所/担当森田)
- 2023年
- 「データ連携プラットフォームにおける法的課題 ~個人情報・プライバシーを中心に~」(主催 ITS JAPAN/担当森田)
- 2021年
- 「自動運転関連のデータ利用と個人情報、プライバシー」(主催 JEITA自動走行システム研究会/担当森田)
MaaS関連の法的サポート
MaaSでは、交通事業者が参加するプラットフォーマーに対しては、利用者の個人情報の取り扱いには個人情報保護法の規制が、価格カルテルや手数料値上については独占禁止法の規制があるほか、アプリに係る利用規約の整備なども必須となります。
また、MaaSに参加する個別の交通事業者に対しては、ライドシェアや自家用有償旅客運送事業など道路運送法による規制があります。
MaaSサービスにおける新規スキームに対して、法令上の問題がないか事前の法令チェックが欠かせません。
-松田綜合法律事務所に依頼するメリット-
01 自動運転に知見のある複数チームで担当
自動運転/MaaS関連法務チーム × 個人情報関連法務チーム
弊所には、自動運転の安全基準に関わる法令・判例調査に関わった弁護士(元検事と元裁判官を含む)のほか、個人情報関連法務チームやリスクマネジメントチーム等があり、インシデント対応や予防法務に対し複数チームでの対応を行っています。
02 法曹三者の観点から、網羅的なアドバイスが可能
弁護士 × 元検察官 × 元裁判官
日本では、すでにL4(特定自動運行)に対応した法改正(道路交通法等)を終えていますが、技術に法令が合致していない部分もあり、法令遵守を徹底しながら、安全かつ円滑なL4による人の移動を実現しなければなりません。新技術分野であることから、技術面だけでなく、リーガル的にも多面的な検討が欠かせませんが、当事務所では、自動運転の安全基準の検討の経験があり、かつ法曹三者の経験のある弁護士によるアドバイスが可能です。
03 実績に基づいたアドバイス
新技術分野ですが、すでに行政/政府機関/民間企業からの依頼で、自動運転等に関わる法的アドバイスを行っており、実績に基づいたサポートが可能です。
-自動運転/MaaS関連法務チーム-
岩月泰頼 弁護士(チームリーダー)
資格
- 弁護士
- 名古屋大学未来社会創造機構 客員准教授
所属
- 東京弁護士会
- 応用物理学会(会員)関与プロジェクト等
- 国交省 「第7期ASV推進検討会 システム主導WG」委員
- 経産省 「RoAD to the L4プロジェクト テーマ4」参加メンバー
経歴
- 早稲田大学理工学部応用物理学科卒業
- 2005年 検事任命 東京地方検察庁
- 横浜地方検察庁、福岡地方検察庁小倉支部、東京地方検察庁、さいたま地方検察庁、新潟地方検察庁 各配属
- 2013年 松田綜合法律事務所 入所
- 2016年 松田綜合法律事務所パートナー(現任)
- 2019年 名古屋大学未来社会創造機構 客員准教授(現任)
プロフィール:岩月 泰頼 / Yasuyori IWATSUKI
森田岳人 弁護士
資格
- 弁護士
- 名古屋大学未来社会創造機構 客員准教授
所属
- 東京弁護士会
- 東京弁護士会インターネット法研究部
- 東京弁護士会AI研究部
- 人工知能学会
- デジタル・フォレンジック研究会
- 国土交通省 第7期先進安全自動車(ASV)推進検討会 協調型技術検討WG委員
- 経済産業省 自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト(RoAD to the L4) テーマ4参加メンバー
経歴
- 1999年 東京大学法学部卒業
- 2004年10月 弁護士登録(東京弁護士会)
- 2004年10月 松田綜合法律事務所入所
- 2012年6月 株式会社CROSS FM 監査役(非常勤)
- 2013年6月 LCR不動産投資顧問株式会社 監査役(非常勤)(現任)
- 2014年3月 日本弁護士連合会代議員
- 2014年4月 東京弁護士会常議員
- 2016年4月 松田綜合法律事務所パートナー(現任)
- 2018年4月 東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会副委員長
- 2020年6月 テクノクオーツ株式会社 取締役監査等委員
- 2021年1月 東海国立大学機構名古屋大学未来社会創造機構 客員准教授(現任)
- 2021年3月 一般財団法人ヤオコーこども支援財団 理事(現任)
- 2024年10月 ジーエルテクノホールディングス株式会社 取締役監査等委員(現任)
プロフィール:森田 岳人 / Taketo MORITA
自動運転/MaaSに関するトピック
- 2024/10/24 岩月泰頼弁護士講演「AI時代の自動運転事故の法的責任」(主催 RX JAPN/オートモーティブワールド名古屋2024)
- 2024/8/2 森田岳人弁護士講演「AIは規制すべきか~日本の最新動向~」(主催 立教セカンドステージ大学)
- 2024/7/31 森田岳人弁護士講演「サイバー攻撃による情報漏洩とシステムベンダの責任」(主催 松田綜合法律事務所)
- 2023/10/25 岩月泰頼弁護士講演「自動運転に関する法制度の現状と課題」(主催 名古屋地方検察庁 名古屋高等検察庁管内の検事対象)
- 2023/3/31 森田岳人弁護士講演「自動運転車の事故の法的責任に関するシンポジウム 協調型自動運転 ~技術と法的課題~」(主催 名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ社会研究所)
- 2023/3/9 森田岳人弁護士講演「データ連携プラットフォームにおける法的課題 ~個人情報・プライバシーを中心に~」(主催 ITS Japan)
- 2022/12/20 岩月泰頼弁護士講演「自動運転車の事故の法的責任に関するシンポジウム~交通事故の法的責任の調査・捜査はどうかわるか~」で「車載データ(ドラレコ、EDR、DSSAD、OBD)の法的位置付けと役割」(主催 名古屋大学未来社会創造機構モビリティ研究所ほか)
(外部リンク)https://www.gremo.mirai.nagoya-u.ac.jp/event/221220_coi-next.html - 2022/7/25 岩月泰頼弁護士登壇 「自動運転倫理ガイドライン研究会 第1回 公開シンポジウム 『自動運転×倫理」」
- 2022/7/4 岩月泰頼弁護士寄稿「自動運転システムと道路交通法の遵守」(月刊「法律のひろば」2022年7月号)
- 2022/5/21 時事ドットコムニュース「5人か1人か、どちらを救う? 自動運転車が直面する「トロッコ問題」【けいざい百景】」に、岩月泰頼弁護士のコメントが掲載されました。
(外部リンク)https://www.jiji.com/jc/v8?id=202207keizaihyaku064 - 2022/5/21 岩月泰頼弁護士講演「自動運転時の事故に関する法的責任」(国土交通省中部運輸局主催「自動車事故防止セミナー2021 ~ICTがもたらす事故防止の未来~」
(外部リンク)「中部運輸局 自動車事故防止セミナー2021 ~ICTがもたらす事故防止の未来~」ご案内(PDF) - 2021/11/2 森田岳人弁護士講演「自動運転関連のデータ利用と個人情報、プライバシー」(電子情報技術産業協会(JEITA) 自動走行システム研究会)
- 2021/11/1 岩月泰頼弁護士講演「実証実験の法規制と法的責任」(主催 松田綜合法律事務所 自動運転連続セミナー第4回)
- 2021/10/4 森田岳人弁護士講演「自動運転データ連携プラットフォームにおける法務戦略」(主催 松田綜合法律事務所 自動運転連続セミナー第3回)
- 2021/09/5 岩月泰頼弁護士講演「MaaSに関わる法規制セミナー」(主催 松田綜合法律事務所 自動運転連続セミナー第2回)
- 2021/8/29 日経新聞「自動運転の事故、誰に責任? ルール途上で開発に影響も」に、岩月泰頼弁護士のコメントが掲載されました。
(外部リンク)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC215KB0R20C21A7000000/ - 2021/08/5 岩月泰頼弁護士講演「開発者や事業者は刑事責任を負うか」(主催 松田綜合法律事務所 自動運転連続セミナー第1回)
- 2021/7/8 森田岳人弁護士パネリスト登壇「AI×法・倫理シンポジウム」(AI法研究会)
- 2021/6/18 「名古屋大学COI 「自動運転の社会実装に伴う法律問題を考えるシンポジウム」がRESPNSE誌「有能で注意深い人間ドライバー」って誰?自動運転車が想定する運転技術【岩貞るみこの人道車医】」で取り上げられました。
(外部リンク) https://response.jp/article/2021/05/27/346181.html - 2021/5/21 「自動運転の社会実装に伴う法律問題を考えるシンポジウム(ウェビナー)」で森田岳人弁護士と岩月泰頼弁護士がスピーカーを務めました。
「自動運転の社会実装に伴う法律問題を考えるシンポジウム~保安基準・国際基準の現状と自動運転に対する課題~」 - 2021/3/12 連続ウェビナー第5回「モビリティサービスを取り巻く法規制と課題」で岩月泰頼弁護士がスピーカーを、森田岳人弁護士が司会を務めました
- 2021/2/2 岩月泰頼弁護士講演「Vector Japan Diagnostic Day 2021」 車両診断の将来動向に関するオンラインイベント「自動運転におけるOBD車検と車載データの法的な位置付け」
- 2019/11/20 岩月泰頼弁護士講演「限定地域における自動運転移動サービスの社会実装に向けた法制度のあり方に関するシンポジウム」(主催:名古屋大学COI 法制度整備ユニット、共催:名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ社会研究所)自動運転に関する法整備の現状を紹介いたしました。
- 2019/10/28 東京弁護士会リーガルサービスジョイントセンターAI部会シンポジウムにおいて森田岳人弁護士が、模擬裁判の事例の作成、原告代理人役、その後のパネルディスカッションのパネリスト等を務めました。
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