Legal Note

リーガルノート

2025.06.19

2025-5-1 「企業刑事法務チーム」のご紹介② ~刑事事件の発生と企業刑事法務チームの対応について~

M&P Legal Note 2025 No.4-1

「企業刑事法務チーム」のご紹介②
~刑事事件の発生と企業刑事法務チームの対応について~

2025年6月20日
松田綜合法律事務所
弁護士 片岡 敏晃

PDFダウンロード

 

1回目(前号)は、企業活動と刑事事件が交錯する場面と実際に刑事事件が発生した場合に起こることを概観してまいりました。
2回目(本号)では、そのような事態が発生した場合に、弊所企業刑事法務チームがどのような対応を行っているかについてお話しします。

4 企業刑事法務チームによる対応

企業内で刑事事件や刑事事件に発展する可能性がある不祥事が発生した場合に必要とされる対応を時系列順にモデル的に示すと、以下のように整理できます。

① 初動対応
– 速やかに事実関係を把握し、関係者へのヒアリングや証拠収集を行う。
– 被害の範囲を特定し、今後の対応方針を決定する。

② マスコミ対応
– プレスリリースを作成し、適切な情報発信を行う。
– 必要に応じて記者会見をセットし、想定問答を準備する。

③ 当局対応
– 行政機関への報告が必要な場合は、速やかに対応する。
– 捜査機関との適切な情報提供を行い、企業としての立場を明確にする。

④ 社内調査と再発防止策
– 不祥事の原因を分析し、再発防止策を策定する。
– 必要に応じて第三者委員会を設置し、透明性のある調査を実施する。

⑤ 不正行為者への対応
– 社内処分のほか、損害賠償請求や刑事告訴を検討する。
– 企業の信頼回復に向けた対応を進める。

5 刑事事件対応の難しさと企業刑事法務チームの強みについて

時間や情報の限られた中での初動対応やマスコミ対応、証拠と法令を押さえた上で行うべき当局対応など、企業内のリソースと知見でこれらの対応をこなしていくのは簡単なことではありません。
弊所では、これらの対応を、検事出身弁護士によって構成される「企業刑事法務チーム」を中心にして行っています。
取り分け、上記①の初動対応は時間との勝負ですが、この場面では、短時間で必要な情報収集(関係書類の収集・精査、ヒアリング等)を行い、これを前提に可能な限り精度の高い見通しをつけ、適切な対応策を立案・実施することが求められます。
検事出身弁護士の強みは、やはり事案の見立て、すなわち、発生した事象が広がりを持つものか、捜査・調査機関は次にどういうアクションを取ってくるか、結局どこに落ち着きそうかといったことに関する精度の高い見通しを付けることにあると思います。
弊所企業刑事法務チームの弁護士は、検事として、あるいは弁護士として、一般刑事事件はもとより、特捜部所管の贈収賄事件、各種税法違反事件、証券取引等監視委員会が扱う金商法違反事件、公正取引委員会が扱う独占禁止法違反事件、職場における重大事故などの特殊業務上過失致死傷事件等、専門性の高い事件を多数経験しています。
また、刑事事件には、労務、知財分野等の専門的知識・経験を要する事件も少なくありませんが、そのような事案については、それぞれの分野において高い専門性を持つ多くの所内弁護士と連携して対応を行っています。

6 終わりに

刑事事件の発生リスクをゼロにすることは難しいとしても、万が一発生した時に企業が適切な対応を取ることで、事態の悪化を防ぎ、信頼回復につなげることができます。
刑事事件発生時はもとより、そこに至らなくとも何か気になることがありましたら、まずはお気軽に企業刑事法務チームにご相談ください。
事務所の総合力を生かし、状況に照らしてもっともふさわしいサービスを迅速に提供してまいります。

 

このリーガルノートに関連する法務