Legal Note

リーガルノート

2021.03.25

2021-3-1 事業再構築補助金のご案内

M&P Legal Note 2021 No.3-1

事業再構築補助金のご案内

2021年3月25日
松田綜合法律事務所
弁護士・公認会計士協会準会員
石畑 智哉

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1 はじめに

中小企業庁が、中小企業等事業再構築促進事業(以下「補助事業」といいます。)を進めており、本年3月中に第1回目の公募が開始されることが予定されています。

補助事業は、事業再構築を目指す一定の中小企業等に対して、事業計画の策定を求めています。そして、審査を経て事業計画が採択された場合に、事業者に対して事業再構築補助金が交付されます。

以下、補助事業の制度概要を説明いたします。

制度の詳細につきましては、以下のサイトをご参照ください。

https://mirasapo-plus.go.jp/infomation/11458/

なお、事業再構築補助金の申請は、経済産業省が運営するjGrants(各種補助金の電子申請システム)で受け付けることが予定されており、当該システムを利用するためのIDの取得には2~3週間を要するため、申請をお考えの事業者におかれましては、IDを事前に取得することが推奨されています。

2 補助事業の対象となる事業者

補助事業の対象となる事業者は、中小企業基本法上の中小企業に加え、中小企業の範囲に含まれない中堅企業とされています。それぞれ具体的には以下のとおりです。

【中小企業】

①又は②のいずれかの要件を満たす会社又は個人

業種 ①資本金の額又は出資の総額 ②常時使用する従業員
製造業、建設業、運輸業等 3億円以下 300人
卸売業 1億円以下 100人
サービス業 5千万円以下 100人
小売業 5千万円以下 50人

【中堅企業】

中小企業の範囲に入らない会社のうち、資本金10億円未満の会社(調整中(2021年3月18日現在))

3 補助事業の目的と申請の主たる要件

補助事業の目的は、「ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った事業再構築を支援する」こととされています(令和3年2月15日付け中小企業庁「事業再構築補助金の概要」2頁。以下「概要」といいます。)。

その目的を踏まえた、補助事業の申請の主たる要件は以下のとおりです。次の要件のすべてを満たした場合に、補助事業に申請することが可能となります。

1.売上の減少

2.事業再構築に取り組むこと

3.認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること

(1) 要件1「売上の減少」について

申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している場合に、子の要件を満たすことになります(概要2頁)。

上記の比較に関して、例えば2021年4月に申請をすることを前提として、2021年1、2、3月を選択した場合、比較対象となるコロナ以前の月は連続している必要はなく、2019年1月、3月、2020年2月を選択することも可能とされています(経済産業省「事業再構築補助金に関するよくあるお問合せ」Q32(2021年3月18日現在)。以下「お問合せ」といいます。)。

(2) 要件2「事業再構築に取り組むこと」について

事業再構築とは、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換又は事業再編のいずれかを行う計画に基づく中小企業等の事業活動をいうとされています(令和3年3月17日付け中小企業庁「事業再構築指針」1頁。以下「指針」といいます。)。

指針において、事業再構築の類型ごとに要件が定められていますが、大きく以下の要件が必要となります。詳細につきましては、指針をご確認ください。

・製品等の新規性要件

・市場の新規性要件

・売上高10%要件or売上高構成比要件

また、事業再構築の具体例として、以下のような事例が挙げられています(令和3年3月17日付け中小企業庁「事業再構築指針の手引き」8頁以下参照)

 

【新分野展開】

(例1)

コロナ前:航空機用部品を製造

コロナ後:新たに医療機器部品の製造を開始

(例2)

コロナ前:ウイークリーマンションを経営

コロナ後:客室の一部をテレワークスペースや小会議室に改装しレンタルオフィス業を開始

 

【事業転換】

(例1)

コロナ前:日本料理店を経営

コロナ後:焼肉店を新たに開業

(例2)

コロナ前:プレス加工用金型を製造

コロナ後:金属加工技術を用いて新たに産業用ロボット製造業を開始

 

【業種転換】

(例1)

コロナ前:レンタカー事業を経営

コロナ後:貸切ペンションを経営し、レンタカー事業と組み合わせた宿泊プランを提供

(例2)

コロナ前:生産用機械の製造業を営業

コロナ後:工場を閉鎖し跡地に新たにデータセンターを建設

 

【業態転換】

(例1)

コロナ前:ヨガ教室を経営

コロナ後:店舗営業を縮小し、オンライン専用のヨガ教室を新たに開始

(例2)

コロナ前:健康器具を製造

コロナ後:AI・IoT技術などのデジタル技術を活用して、製造プロセスの省人化を進めるとともに、より付加価値の高い健康器具を製造

(3) 要件3「認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること」について

補助金の審査は、事業計画を基に行われることとなり、審査において当該事業計画が採択されるために、合理的で説得力のある事業計画を策定することが必要であるとされています。そして、合理的で説得力のある事業計画とするために、認定経営革新等支援機関との相談の上、策定することが求められています(概要7頁)。

また、事業計画の内容としては、補助事業終了後3~5年間で付加価値額が年率平均3%増加することを見込んだものとする必要があります(概要7頁)。

付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費の合計をいうとされています(お問合せQ12)

4 補助対象経費

事業再構築補助金の補助の対象になる経費は、基本的に設備投資に関するものとされています。また、新しい事業の開始に必要となる研修費、広告宣伝費・販売促進費も対象とされています(概要6頁)。

一方、汎用品(パソコン、スマートフォン、家具等)の購入費や販売する商品の原材料費等は対象外とされています(同頁)。

5 おわりに

概要11頁において、「事業計画の策定等で外部の支援を受ける際には、提供するサービスと乖離した高額な成功報酬を請求する悪質な業者にご注意ください。」との指摘もあるところであり、事業再構築補助金の申請をお考えの事業者様におかれましては、認定経営革新等支援機関や日ごろからお付き合いのある専門家にご相談頂きたく存じます。

 


 

松田綜合法律事務所
弁護士・公認会計士協会準会員
石畑 智哉
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